今回の小説教室では中島敦著『山月記』の読後感を発表しあった。
わたしは文庫本の細かな文字を読み通す自信がなかったので、図書館で講談社の『少年少女日本文学館15』を借りた。
読み始めて気づいた。学生だった頃に教科書で出会っていたのを忘れていたのだ。
物語の面白さに加えて、隙のない引き締まった文章に圧倒された。そもそもが唐代の『清朝説話集「人虎伝」』を素材に、1942年に発表された中島敦のデビュー作だ。
何故主人公は虎になったか?
「臆病な自尊心、尊大な羞恥心、それゆえに切磋琢磨しなかった怠惰のせいだ」
の一節が、時代を超えて、説得力をもって自分につきつけられる。
感想を言い合ったあと、10枚の小説を書いて文学賞に応募することが決まった。皆の目は輝いた。
関内駅前の居酒屋で乾杯!
いい仲間たちだ。