今朝、故・今井一郎先生の奥様と初めて電話でお話をした。
氏は関西学院大学の文化人類学者であられたが、定年間近の昨年、アフリカのマラウイ島に調査研究に赴かれ、
転覆事故に遭われて帰らぬ人となった。
アフリカに行かれる前、カンナ社に出版の話を打診されたが、ご本人不在となり、企画は中止になることも考えられた。
しかし、関西学院大学総合政策学部の皆さま、名誉教授の高畑由起夫氏、出版社青灯社のご尽力などにより、
去る11月20日、出版の運びとなった。
氏のご家族は奥様とお嬢様の3人と伺っていたので、本ができたらご挨拶をしたいと思っていた。
奥様は先生が亡くなったあと先生のお父様、お母様も看取られたといい、今も大変な状況なのに、
突然の電話に感じよく応対してくださった。
失礼ながら年齢を尋ねると、私よりかなり年下であった。
「調査の最中に亡くなったので無念ではあるが、ひとつの救いにもなっている」のお言葉が印象に残っている。
春風社時代には、今井先生のご著書を2冊作らせていただいた。
人類学会の会場では、他所の出版社のブースを廻られてから春風社に立ち寄ってくださり、必ず本を購入してくださった。
「今度神戸にいらしたら寄ってくださいね」のお言葉に甘えて、いつか奥様と氏の思い出を語り合いたい。
改めてご冥福をお祈り申し上げます。