奈良では吉村文男先生ご夫妻とお会いした。
近鉄奈良駅前、噴水が清々しい行基菩薩像前で待ち合わせる。
「前回は興福寺をみたので今日は元興寺にしましょう。そのあと近くで食事を」と先生。
吉村先生は春風社時代『ヤスパース―人間存在の哲学』、『学び住むものとしての人間』などの本を作らせていただいた。
今も新たに「ITと思想」関連の著作をご準備中である。
奈良駅の周りは人でいっぱいだったが、右へ右へとしばらく歩くとまばらになった。
木造平屋の民家が続く「ならまち」の一角に、世界文化遺産の元興寺は静かにある。
辺りの町並みはかつて元興寺の境内地だったという。
猿沢池を望むスターバックスで三人、とりとめのない、何とない会話をする。
ほぼ同世代。こうしてお互いの無事を確認している。