ぼちぼち日録

朗読イエスタデイ

2024年02月11日

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日々映画、ドラマばかり観ているのは相変わらずだが、明らかに目によくない。

死ぬまでは失明したくないので、知恵を絞った結果(いや絞らなくても)、目を駆使した後はラジオを聴くことにした。

 

ラジオにはいい番組がいっぱいある。

例えば「カルチャーラジオ アーカイブス」、高橋源一郎の「飛ぶ教室」、「朗読」など、好んで聴いている。

 

「朗読」は、いつも部屋を暗くして目を閉じて聴く。

芥川龍之介、夏目漱石、太宰治…etc. さまざまな作家の短編作品をアナウンサーが朗読し、その世界に誘ってくれる。

特に印象深かったのは芥川の『蜜柑』、漱石の『文鳥』など。

 

今日は村上春樹『女のいない男たち』収載の「イエスタデイ」の最終回を聴いたばかり。

面白かった! 興奮冷めやらずの気分でいる。

 

20歳の男二人と女一人の青春の物語。その後大人になった彼らはどうなったか――?

始まりから終わりまで計算し尽くされた小説。

その計算に心地よく騙され、読後にはしみじみと哀しさが殘る。

 

アナウンサーの知的な語りも物語を深くしている、と思った。