日々映画、ドラマばかり観ているのは相変わらずだが、明らかに目によくない。
死ぬまでは失明したくないので、知恵を絞った結果(いや絞らなくても)、目を駆使した後はラジオを聴くことにした。
ラジオにはいい番組がいっぱいある。
例えば「カルチャーラジオ アーカイブス」、高橋源一郎の「飛ぶ教室」、「朗読」など、好んで聴いている。
「朗読」は、いつも部屋を暗くして目を閉じて聴く。
芥川龍之介、夏目漱石、太宰治…etc. さまざまな作家の短編作品をアナウンサーが朗読し、その世界に誘ってくれる。
特に印象深かったのは芥川の『蜜柑』、漱石の『文鳥』など。
今日は村上春樹『女のいない男たち』収載の「イエスタデイ」の最終回を聴いたばかり。
面白かった! 興奮冷めやらずの気分でいる。
20歳の男二人と女一人の青春の物語。その後大人になった彼らはどうなったか――?
始まりから終わりまで計算し尽くされた小説。
その計算に心地よく騙され、読後にはしみじみと哀しさが殘る。
アナウンサーの知的な語りも物語を深くしている、と思った。