ぼちぼち日録

8月、いのちを考える

2025年08月15日New

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池袋シネマロサで「黒川の女たち」を観てきた。

 

80年前、岐阜県白川町黒川から満州に渡った開拓団。

終戦間近にソ連軍に助けを求め、その見返りとして18歳以上の未婚女性を差し出した。

戦後、皆その事実に口をつぐんできたが、10年前頃から犠牲になった女性たちが声をあげはじめた。

 

私は以前テレビのドキュメンタリー番組で、この性接待の実態を初めて知った。
映画になったことで、多くの人にその事実が知られるとよいと思う。

 

7、8月くらいから各メディアは戦争関連の作品、番組を流している。

 

「木の上の軍隊」も映画館で観た。

終戦を知らないまま、木の上で数年を過ごした2人の日本兵の話だ。
堤真一、山田裕貴が好演。実話をもとにした井上ひさし原案の舞台を映画化している。

 

NHK「ラジオ深夜便」では、戦争平和インタビューとして、体験者が当時の模様を語っていた。
どれも悲惨なエピソードばかりだが、現代に生きる者たちに「いのち」の重さを問うている。

 

中でも衝撃的だったエピソードは、中国からの引き揚げ時、ロシア兵から逃れるために

生後1年の我が子を母親が滝に突き落とした話。
当時7歳だった「わたし」が語る。

 

もう一つ、千島列島の北東端・占守島(しゅむしゅとう)で戦争終結後の8月18~21日にソ連兵との戦いがあったこと。
その後シベリアで捕虜になった「わたし」は、いま100歳を超えている。

 

年齢を重ねるに従い、初めて知る戦争の実態とその影が、のほほんと生きている自分に重く問いかけてくる。