突然の悲報だった。『有吉佐和子と現代』の著者、川井万里子先生がお亡くなりになった。
本書を12月におだしになったばかりだった。
風呂場でのヒートショクだったという。ご近所にお子さんがお住まいでお一人暮らしだった。
数年前から有吉佐和子論で本をおだしになりたいとお話しがあり、カンナ社がコーディネートをさせていただいた。
人種差別、女性の生き方、老年期と介護者、環境汚染、etc.・・現代日本の諸問題を半世紀前に予見していた有吉の人と作品にせまる内容になっている。
先生は生前、有吉と同じ問題意識を共有しておられた。本書の刊行は必然だったと思われる。
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西永福駅からご自宅まで肩を並べて歩いている時、「このお花は私が植えたのよ」と線路ぎわに咲いているお花を指された。緑が少なくなった環境を憂いてのご決断だったようだ。
時には添加物なしの手料理でもてなしてくださった。
ごく自然に補聴器を耳にセットして差し上げたこともある。笑顔が少女のようでカワイイ方だった。
刊行後、ご挨拶に伺う予定を、寒いからとグズグズしているうちにもう二度とお会いすることができなくなってしまった。
せめてもの救いは、念願の『有吉佐和子と現代』をださせていただいたことである。
安らかにお眠りください。
