新幹線で駅に着くと、人、人で改札口はごった返していた。
それでもやっぱりここは特別。
「わぁい! 京都だ」
2年ぶりの京都。
五条烏丸通りのコメダ珈琲で出版の打ち合わせをする。
お会いした鈴木啓史氏は大阪の商業高校の先生。『利潤分配制と社会主義―日本における大正期から昭和戦後期に至るまでの受容と変容』(仮)を刊行のご予定だ。
判型に迷われているといい、先生がお持ちになった関連研究の書籍数点と、私も見本として持参したA5、四六判上製600頁の本をテーブルに広げて、どんな本にしたいか、著者のことばに耳を傾ける。
お話ししているうちに、先生の出版にかける並々ならぬ思いが伝わってきた。
いろいろ考え、最後は四六判をお勧めした。
* * * * *
打ち合わせのあと、近くの料理屋「おやこや」に先生をお連れした。
京都にきたら寄せてもらう店だ。
大将は「人たらし」。さりげなく先生を馴染み客の会話の輪に入れてくれる。
* * * * *
先生と別れ、ホテルにチェックイン。フロントマンはアジア系の男性だった。
今日の打ち合わせはあれでよかっただろうか?
先生の思いを置き去りにしてこなかっただろうか?
なかなか寝付けない。
明日は奈良へ行く予定。ちゃんと起きられるかな。