雨が好き。
奥沢あたりの住宅の間を歩く。垣根や草花の緑が鮮やかだ。
しっとりとしたひととき。
昔読んだ『雨が好き』を思い出す。
女優の高橋洋子が上梓して中央公論新人賞を受賞し、その頃かなり話題になった。
ミーハーのわたしは早速購入して読んだ。
内容はほとんど忘れてしまったが、雨の匂いが余韻として記憶にある。
梅雨が終わるまでに永井荷風の『つゆのあとさき』を読んでみたいと思いながらサボっている。
昨日は自由が丘駅前の麹料理の店で友人の送別会をした。
彼女は自由が丘のオリエンタル雑貨屋で働いていたが、最後の日だった。
わたしが映画「Michael/マイケル」を観にいった話をしたら、友人はマイケルが来日したとき、生のマイケルをステージで観たと言う。
一気に座が盛り上がった。
店の主人はYouTubeでマイケルの映像を流してくれ、隣のお兄さんとマイケル談義を共有した。
私たちはライン交換して別れた。またこの店で会いましょう、と。
外にでた。雨はまだやんでいない。
線路ぎわの緩い坂をよたりよたり歩く。電車がゴォーと過ぎていく。
まもなく梅雨も去って夏がやってくるだろう。
テレビでは美輪明宏の訃報を伝えていた。91歳。
友人はこれからどうするだろうか?
わたしは今、薄曇りの窓外をみながら仕事をする気分になるのを待っている。

